真空管ラジオⅠ 国内外の据え置き型

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真空管ラジオ / Tube radios

なぜこのデジタルな時代に真空管なのでしょうか?
それは使い勝手が悪く大きくて壊れ物という、こんな面白い物が今の世にないからです。

TOSHIBA 5K-321 1956年 AM5球 日本製

非常に珍しいボタン選局式真空管ラジオ。

選局ボタンは電源スイッチも兼ねており、選局ボタンを押すだけで電源が入り局が流れる。

正面のダイアルは音量。

表側の造りはとてもすっきりシンプルだが、そのぶん中はとても複雑。

当時相当高価であったことが窺える。

頻繁に選局を変える人にとってもこのうえなく便利なラジオ。


SHARP 5M-67 1955年 AM5球 日本製

木製壁掛けラジオ

電源は筐体左横から出たヒモを引っ張り入り切りする、天井照明と同じ手法。

選局ダイアルはバリコン直結なので周波数の高い方に選局がシビアだが、基本的に選局及び音量調節は頻繁に動かさないものと考慮され、電源の入り切りのみに特化しているラジオ。

壁掛けスタイルは珍しいが、近年の家屋は壁に穴が開けられない所が多いので、なかなか設置が難しい。


Toshiba 6ZB-208  MT6球 1960年 AM-SW 日本製

通称”うぐいすLS” マジックアイ付きの高級機である。

うぐいすの名の通り筐体、パイロットランプ、ツマミ類、コンセント、コード類(ついでにマジックアイも含めると)全て緑色に揃えられている。

細長い筐体に6インチという大きなスピーカーを使う為、スピーカーは下にはみ出す迷デザイン。


Toshiba 5YC-606 MT5球 1960年 AM-SW 日本製

かなりあQフリマやヤフオクでも非常によく見るラジオ、恐らく国内で最も売れた真空管ラジオではないかと思う。

これは実家の物置で20年以上寝ていたものを掘り起こしたのだが、冬眠中にACコードは巻かれたまま化石になったり、筐体は変色してマッ黄色になったりと散々。

筐体は耐水ペーパーで磨き白くしたが、1日仕事になった、もうイヤ。

しかし整備した甲斐あって今は快調に鳴り続けている。

何故か子供の頃からコレのスピーカーグリルはハエタタキに見えてしょうがない。(笑)

National UX-500 MT5球 1957年 AM-SW 日本製

大柄な木製筐体に前面プラスチックパネル、中央にはナショナルのロゴの入ったパイロットランプがある。

入れ物は大きいがシャーシは小さい。

スピーカーが大型なため結構な音量を出せる。

兄弟機にはマジックアイの付いたものや短波の受信できるものなどが存在する。

Siemens Co. NORA Mennett A60  MT6球 AM-FM 1957年 ドイツ製

やはりヨーロッパ製は変わっていて楽しい。

筐体はクリーム色のプラスチックだが真空管ラジオなのにも関わらず裏蓋までプラスチックでぴっちりと蓋をされる、いかにも几帳面なドイツ製。

大きさは普通なサイズだが持ってみると妙に重い。

それもそのはず電源トランスがやたら大きい、スピーカのトランスも大きい、スピーカーのフレームも肉厚、その為シャーシがこれまた肉厚になっていて更に重い。

バンド切り替えは”何これ?”な構造で面白い。


AUTOMATIC C-15 USA製 年不明 5球ST管 AM, SW3.5-9Mc

これは私が真空管ラジオにはまるキッカケになった最初のラジオ、オートマティックC-15。

私が買い物をする場所は大抵フリーマーケット、又はヤードセールという露店ばかりであるが、これだけが唯一ちゃんとしたお店(アンティークラジオ屋)で購入したラジオ。

結構高かったにも関わらずデザインの良さに衝動買いしてしまった。

丁寧に作られた木箱は薄くても丈夫に出来ているので永い年月にも耐えられるようになっている。

アメリカはマジックアイを作った国なのにラジオにそれが付いている例は少なく、どちらかというと日本製ラジオの方に多く付いている。

PHILCO 49-504 USA製 1949年 ロクタル管5球  AM, SW3.5-9Mc

知り合いからタダで頂いたラジオ、物置から発掘されたそうである。

私の所へ来た時には本当に地面の下から掘り出されたかと思う程、土と埃で凄かったが、幸いにキズや錆は少なかった。

しかしこのラジオは色々と良い経験ができた。

レストア中の最大の失敗はこのベークライトの筐体を磨こうとして強力汚れ落とし洗剤を使ったために綺麗なベークライト表面を荒らしてしまったこと。

やはりどんなに汚れ落としが大変でも洗剤は中性に限る。

結局、色々な磨き剤を試してなんとか表面の荒れは取れたが、新品のようなツヤにまでは戻らなかった。

光の当たらない箱の内部は”これがベークライト?”と思うほどの美しい飴色のツヤを今も残している。

PHILCO Model 49-603  MT5球 AM 1949年 USA製

これは電池式ではないものの、ポータブルとして作られた珍しいスタイルのラジオである。

持ち運びやすいよう造られたベークライトのケース表裏は革によって仕上げられており、左右にあるボタンを押すとバネによってケースが開く。

使用する時はケースを開いたのちに立てて使う。

ACコードが出ているとケースが閉まらない構造なのでケースを閉じての誤使用による過熱は起きにくい。

ケースを開けた時に中を触らないようシャーシはパンチングメタルでシールドされている。

移動の際にACコードは中に全部収納することができる。

非常にお洒落なデザイン。

VICTOR RCA 1-RA-64 1961年 USA製 AM 5球MT

VICTOR FILTERMATIC MT5球スーパー。

これはもう真空管ラジオとしては終焉の時代の代物であろう、プリント基板に真空管が立っている。

手持ちのラジオのなかで一番部品点数の少ないラジオであり外部アースもアンテナの端子も備えていないが感度は一番良くとても完成度が高い。

真空管ラジオらしからぬ程奥行きが薄くデザインは台所にでも置きそうな白物家電風。

発熱も少ない。

時代的に終わりのモノだったせいかこれもまた資料の少ないラジオである。

MADISON No.2885 年不明 日本製 AM 5球MT

日本製だがメーカー、年式等は不明。

よくある普通なトランスレス5球スーパーだが非常に小さい。

外部アンテナ、アース端子はないが感度は良く、大きさに見合わない大音量を出せる。

真空管はTEN製。


NOVATEC AIR-O-AIR  USA製 年不明 MT7球 AM、LW、VHF108-136Mc

ノバテック社製エアオーエアー。

AM、LWの他にVHF航空無線も聴ける珍しい3バンド7球スーパー。

デザインは普通な卓上ラジオだが、スケルチもヘッドホン端子も付いているので航空用受信機としても使い物になり感度も良い。

ただ、航空無線というのは放送と違って電波を流しっぱなしでないので目的の周波数に合わせるのが大変であるが、デジタル選局と違ってジャストな周波数に合っていなくてもだいたいな範囲で受信できるのでそういう意味では楽。

同調は中波にバリコン、VHFにミュー式の2本立て。

バーアンテナも中波用と長波用で2本立てだが、長波用は径16mmX長さ19cmという超ビッグなフェライトバーを使用。

SILVERTONE No.5016 1956年 USA製 AM 6球 (5MT+1GT管)

シルバートン社製AMラジオ5016。

2スピーカー式なのであるがお互い90度ずれた位置にスピーカーが付いている。

パイロットランプはチューニング針の裏にはめ込まれているので点灯すると指針と一緒にランプが移動してとても綺麗。

5本がMT管で電力増幅に1本だけGT管が入っている。

アメリカ製の木箱にしては珍しくPU入力を備えている。

REGENCY AR-136 USA製 年不明 VHF108-136Mc 9球 (8MT+1NV管)

手持ちラジオのなかで唯一ニュービスタ(6CW4)を使用している航空無線用受信機。

造りも普通のFMラジオより良くできており音質に限ればハンディの無線機より格段に音は良く、真空管受信機としてはかなり高級な部類。

でも感度はやはり半導体の方が勝る。

筐体はというと中身と正反対にかなり安っぽい出来栄え、ちょっとがっくり。

ATWATER MODEL 30 USA製 1926年 ナス管6球 AM

アトワーターの昭和初期頃のモデル。

この時代のラジオは電源をいれてダイアルを回せば聞けるというような簡単なものではなく聞くまでの下準備が結構大変だった。

入っている真空管は全部で6本だが全部同じ球を使っている。

これらアトワーターはネットオークション等ではモデル20の方が結構人気なのだが、何しろ20は大きいので置き場が・・。

モデル30ですら小さいとは言っても千両箱サイズだし。(笑)

重さも手持ちの中では最も重いラジオ。

電源には5V, 22V, 67V, 90Vの4種類の電池が必要なので未だ鳴らしたことがない。

しかしこれだけは鳴らなくても存在するだけで満足できてしまう程の工芸品。

とても美しいこの木製ケースとベークライトなツマミ、そして中で妖しく光が反射する球、もう完全にラジオという存在を超えている。

この手合いは当時相当高かったせいか古い割には結構良い状態で残っていることが多い。

その他

単球中波送信機

自動車用ラジオ
MOTOROLA VOLUMATIC


真空管ラジオはフリマかヤードセールにしかないものだと思っていたら自動車の解体屋さんにもありしました、まぁさすがにそれは稀ですが。

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