真空管式 カーラジオ

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真空管ラジオはフリマかヤードセールにしかないものだと思っていたら自動車の解体屋さんにもありしました、まぁさすがにそれは稀ですが。

このラジオは型番が見えないがパネルにはMOTOROLA VOLUMATICと読める。

それ以外は何も判っていない。

とりあえずMT管6球、電源はDC6V, 540kc-1550kcということだけである。

見ての通りパネルは錆びているがシャーシの錆はそれほどでもない。

ツマミは紛失していた。

ノブの径が最近のものより細めなのでオリジナルなツマミがないというのはマズイのであるが、そこはそれ解体屋で掘ってきたモノなので沢山ある他の解体車から合うやつを見繕っておいた。

ちなみにパネルを見ると▲のCDマークが2個付いているが、このマークってカーラジオにまで付けさせられていたみたいだ。

上下蓋を開けてみる。

バリコンはなく、ミュー同調式である。

それにしても昔のカーラジオはトランジスタでも真空管でもミュー同調式が多い。

たぶん塵が入りやすいからエアバリコンだと汚れて駄目なのだろう。

この時点ではバイブレーターは抜いてある。

空ソケットの左にある筒がケミコン、後に交換。

すごい量の塵である。

真空管の頭も雪を被った様に真っ白。

しかし錆はほとんど見られない。

ところで真空管を車に載せるというのは振動とか大丈夫だったのであろうか?

現代と違って昔は車も道も貧弱であるから相当揺れたはずである。

ガラス製のワレモノは外して保管。

幸いにも切れている球はなかった。

全部モトローラ製の球が入っていたので修理されたことがないのかもしれない。

写真右はバイブレーターという電磁石式のパルス発生器。最初はケミコンだと思ってた。

車のバッテリーは6Vなのだが、それでは電圧低すぎて真空管は動作できないのでこのようなものを用いて直流をパルスにし、トランスで昇圧し高電圧を得ることになる。

しかしバイブレーターは構造的に壊れやすいので交換しやすいようになっているようだ。

しかしこのバイブレーターは幸いにもちゃんと動作している。

下部が凹んでいるように見えるがこれで普通。

写真左は表示パネルの裏側。

銅製である。

非常に簡単な取り回しになっている。

この状態で外れるところが楽でイイ。

糸の張りも悪くはないので張り替えずこのまま使うことにする。

各部品は錆を落としたり塵を落としたりして磨く。意外に簡単。

綺麗になったラジオを観察する。

埃を払ってみると蝋ではなくセラミックモールドのペーパーコンデンサーを使っているのが判る。

恐らくは車載だと熱的に普通のペーパーコンデンサではもたないのだろう。

普通この年式であったらコンデンサ類は全部交換してしまうのだが、状態は良かったので結局交換したのは電源のケミコン1個だけ。

アンテナとスピーカーを繋げ電源を入れてみると”ムー”というバイブレーターの音とともに音声が出てきた。

感度はとても良く何年ぶり?の動作とは思えないくらい快調。

結局はケミコン以外は何も交換せず清掃だけで終わってしまった。

感想としてはカーラジオは普通のラジオに比べて良い部品を使用していると思う。

ケースも頑丈で振動、熱にも強く、どのような状況下でも壊れにくいようにと設計されているのでしょう。

のちになんとかしてこれをマイカーにも付けようとしたのですが、最近の車ではこんな大きなシャーシなど収まるスペースなどある筈もなく、おまけに電源が6Vではどうにもなりません。

おまけ 1

同じモトローラーのカーラジオでも真空管とソリッドステートではこれだけ大きさが違う。

重量差は約3倍、消費電力も3倍以上である。

これだけ大きいと最近の車ではダッシュボードに収まらない。

ちなみにこのラジオは真空管カーラジオとしては後期の物なのでこれでもサイズは小さい部類である。

おまけ 2

このラジオは1958年製ルノーのDauphine という車から外したものなのだが、本当はラジオが真空管だったことよりそんな年代の車が今も解体屋に並んでいたことの方にびっくり。

いくらなんでも米人は物持ち良すぎ。

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