時計とは時間を計る道具であり、その表し方により様々な形がある

ここではそんな面白い形、使い道の時計を展示

 

セイコー TTR-903 電波時計 1969年製

1日に2回、7時と19時にNHKの時報を受信し、ピッ、ピッ、ピッ、ポーンのポーン音(880Hz)を検出すると電磁ソレノイドを作動させ、長針を正時にリセットする機能を持つ。

中波ラジオの時報を使用するという構造上、国内のみの販売であった為、数が少く珍しい。

兄機のTTR-902からテンプ自動調速機と外部ラジオ選局部分及びSメーターを省略した廉価版。

受信周波数は540~1600kHz

単一乾電池5本使用。

 

CASIO PRT-1GP GPS腕時計 1999年製

世界初の腕時計型GPS 愛称はサテライトナビ

腕時計にするにあたって最も苦労したのは小サイズ化よりも省電力化であったらしい、とは言っても使用される電池はCR2という腕時計としては他に例がない程の大きな電池を使う。

ただ電池蓋はコインで開けることが出来る為、電池交換は世界一簡単な腕時計と言える。

当時のGPSとしては極小なのだが腕時計としてはとにかくデカい!厚さは一番薄い部分でも2cmとはデカ過ぎる(笑)

 

 

機能はGPSと時刻表示とアラームのみで、ストップウオッチは無い。バックライトはELである。

GPSは基本座標表示だけであり地図絵は無いから現在位置を知るには座標表記のある地図を用意する必要がある。

その他、予めポイントを入力しておくと、その方角へ矢印で誘導する機能がある。

ただし電子コンパスは内蔵されていないので方位を知るには別にコンパスを用意するか距離をおいて2点間測量する必要がある。

 

 

現在のナビと比べると機能は無い無いづくしだが当時はポータブルの製品ですらグラフィックや電子コンパスが無いのは珍しくなかったのでGPSとしては特に機能が足りない製品ということでは決してない。

当時価格59000円

 

SEIKO T001 テレビ腕時計 1982年製

子供の頃は夢に見たものがとうとうやってきた感があったが、別体チューナーがあることを知って結構がっかりした記憶がある。

やはり腕時計に電源を含めて全ての機能を詰め込むのは無理であったようだ。

しかしそれでも世界初の腕テレビであったことは間違いない。

実写とアニメで画像を見比べてみる。

アニメはコントラストがはっきりしておらず、線が細かったり動きが無いとかなり判り難い。

実写は絵が解り易いが、画素の少なさからシャープさに欠ける。

現在のスマートフォンのディスプレイと比べたら数10分の一程度の解像度だが、35年以上も前の技術であると思うと感慨深い。

なお、音声は腕時計から出ているのではなく、チューナーから接続しているヘッドホンから鳴っています。

またこの製品はデジタル放送非対応である為、アナログDVDプレーヤーを使いRF出力から映像を受信。


 

SEIKO C-153 電卓腕時計 1977年製

SEIKO 電卓付き腕時計

日本ではシチズンに続いて2番目の腕電卓、セイコーとしては初号機。

ボタンが小さく押し難い為、手帳鉛筆型タッチペンが付属する。

電卓部分は8桁LCD表示

使用電池 SR1130

当時価格 48000円

 

 

セイコーTTR-902 電波時計 1966年製(世界初の電波時計)

1日に2回、7時と19時にNHKの時報を受信し、ピッ、ピッ、ピッ、ポーンのポーン音(880Hz)を検出すると電磁ソレノイドを作動させ、長針を正時にリセットする機能を持つ。

中波ラジオの時報を使用するという構造上、国内のみの販売であった為、数が少くとても珍しい。

受信周波数は540~1600kHz

単一乾電池5本使用

当時価格25000円

平成26年 東京電気通信大学UECミュージアム第七展示室へ寄贈 動態保管にて展示中


フライングペンデュラムクロック  トミー製 ギルドクロック

19世紀に発明された時計を複製したもの。

金属の玉が2本の棒に絡みつきながら回ることにより一定のリズムを作り出す。

時計としての精度は日差20分なら上出来というレベルなので分針は付いていない。

振り子の動作が面白いが、文で説明するには難しいので動画を用意してみた↓

時計としては精度が出ないため実用品としては程遠いが、動くオブジェとしてはとても面白い。

トミー製は小型のアルミダイキャストだが海外では大型木製の商品が多い。

振り子はAdler Christian Clausenにより1883年に新案の脱進器として特許取得

 

 

音叉式腕時計 ブローバ製 アキュトロン

    

Cal.214                  音叉と爪楊枝

 

 

ツメを上げて竜頭を回す

1960年、それまでは機械式しかなかった腕時計に初めてテンプを使わない腕時計が発売された、クォーツ式時計が出る10年程前のことである。

構造は電磁石で音叉を共鳴させ、その振動をラッチで回転運動に変換する仕組み。

クォーツ時計ほどの精度はないが機械式と比べると高精度(月差1分程)なためNASAで正式採用されアポロ船にも使われた。

ブローバ社はその高精度ぶりを顕示させる為、時計の竜頭を背面に持ってくる程であったが、安価で高精度なクォーツ時計の出現により短命に終った。

初期モデルのスペースビューは電気式の時計であることを誇示させる為にあえてスケルトン仕様にて販売。

音叉時計の特徴として耳を澄ますとキーンといった360hzの甲高い音が聞こえる。

 

 

回転ドラム式時計 Sankyo DIGI-GLO

オルゴールで有名なサンキョー(日本電産)の70年代頃の時計。

小さいドラムに大きな数字を埋め込む為、ドラムの数字を上下重複させデジタル風スリットから数字を表示させる。

そのため、素のドラムはスリットがないと模様にしか見えない。

ボタン押すと内部に照明が入る。

カレー色でレトロフューチャーなデザインも面白い。

電源は単一乾電池1本使用。

 

 

回転ドラム式時計 アガツマ精機 NEOX DC-80

ドラム式置時計は70年代に多かったが透過式は珍しい。

モッテリとしたデザインのケースに赤いデジタルはなんともレトロ。

光源はネオンランプを使用。

 

 

テレビ風VFD時計

70年代ポータブルTV型デジタル時計。

モノクロブラウン管風表示が美しい。

元デザインはイタリアBRIONVEGA社のALGOLというTVを1/2サイズで復刻、細部に至るまで精密に再現されている。

箱のデザインもTVのカラーテストパターンを使い凝っている。

REAC JAPAN社製。

 

 

ネオンディスプレイ時計

田村電機 ルミタイムKT-10S

田村電機 ルミタイム KT-10N

田村電機 ルミタイム KT-10B

他に類を見ないネオン管のディスプレイを持つ時計。

表示はデジタルだが中身は機械式なのでカウントのしかたに赴きがある。

表示器自体は大きく、またネオン管は暗すぎず、明るすぎずで夜間の視認性が良い。

モデルによって秒針のデザインが様々で特徴ある美しい動きをするものが多い。

既に生産されていない製品ではあるが、レトロなスタイルがうけて一部では今も非常に人気がある。


 

ゼンマイ式フリップクロック TOKYO DIGITAL No.103

非常に珍しいゼンマイ式。

なぜゼンマイ式にパタパタ時計がほとんどないのか現物を手にして判った、時間調整が面倒なのである。

パタパタ式は時間を進めることは出来ても戻すことは構造上出来ない。

電気式なら電気を止めることによって遅らせることもできるが、ゼンマイ式は止めることもできない。

つまり1分戻す為には11時間59分進めるしかない。

 

 

セスナ機の時計

セスナのパネルに付いていた時計、DC28V動作の水晶式。

 

 

ピン・クロック

表示が独特でおもしろい。

デジタルセグメント状にピンが配列されていて、その出し入れで数字を表示する。

しかし・・・とても動作音がやかましいのが欠点であり、普通の家では騒々しくて無理っぽい。

もっと静かになればいい時計になると思うのだが・・・

デザインがとてもいいだけにかなり惜しい。

写真を撮る為に分解すると案の定、中はソレノイド一杯でとても重い。

戻そうとしてうっかりひっくり返したら細かい部品が沢山落ちてきてタイヘンなことになった(汗)

分解しておいて言うのは何だが、分解は絶対にお勧めしない時計です。

電源は12VACアダプター。

シンガポールDAKA社 中国製

 

 

エンゼルフィッシュ時計

フリーマーケットで購入したゼンマイ時計なのだが銘や文字の刻印がボディのどこにも無いので詳細は不明。

2匹居る魚のうち片方は1分で1回転し、もう1匹は秒刻みで左右にパタパタ動く。

指針は回らず数字の書かれた玉の方が1日に2回転して時を刻む。

しかし短針はあっても長針の無いご覧の通り飾り時計なので時計としての使い道はほとんどない。

 

 

不明

100均ショップで買った時計、しかし値段くらいの働きはしてくれる。

文字盤は回る心棒に掛かっているだけであり、文字板は紙製。

もちろんこれも精度とかそんなことは関係なく時計としてはあまり使い物にならないというか時間の単位が日時計並み。

 

 

エルジン社製 ボール型目覚まし時計

これもまた非常に読みにくい形の飾り時計。

上が分、中心が時、下が目覚ましの時間。

ゼンマイ式であり目覚まし機能もあるが、かなりテンプの作動音が大きい。

視認性も良くないので物珍しさ以上の実用性はあまりないといえる。

日本製

 

 

エルジン社製 目覚まし時計

デジタル表示なのにテンプの音がする乾電池式置時計、単一乾電池1本で1年作動。

動作は昔のタクシーメーターの様な回り方をする。

アラームは電磁ブザー。

仕組みはモーターでスプリングを巻き上げ、そのスプリング動力によりタイマーを駆動させて1分おきにモーターのスイッチを入れる方式。

目覚まし機能付き

日本製

 

 

ニキシー管時計 (近年物)

ニキシー管は昔は肉屋の秤、券売機、ピンボール機などどこにでもあったが最近はLEDに取って代わりほとんど見なくなった球。

見た目は古めかしくて面白いが本体はガラス製、作動電圧は150Vを超えるなど取り扱いが難しい為に消えていった。

しかし最近になってニキシー管を買おうとするとなかなか見つからない。

KARLSSON社製

製造国 オランダ

 

 

ニキシー管時計 (旧式物)

スワップミートで入手したニキシ時計だがこれは単なる時計ではなく、これの後に接続される複数の子時計を一括して時間変更する為の装置である。

特徴としては時計を止めずに時刻の変更が可能。

SYSTRON DONNER社

モデル8220

アメリカ製

 

 

パタパタ時計各種

パタパタ時計、正式名称フリップクロック。

最近人気があるらしい。

最近復刻されているパタパタ時計は香港か中国製がほとんどであるが、出始めの70年代ほとんどのパタパタ時計のムーブメントは日本製であった。

大型の表示機などは飛行機や鉄道の到着案内板などでよく見たが最近は電光掲示板に取って変わり消えた。

AC式のムーブメントはステッピングモーターを使う為、時計としての精度は電力会社の送り出す周波数の精度に因るところが大きかった。

そのため昔は時間が結構ずれたものだったが最近は電灯線の周波数の精度が格段に上がったので時計としての精度は非常に良い。

なお、大きいもにのなると内側にネオン照明が付いているのもあり夜間とても綺麗。

 

 

バイナリークロック

バイナリークロック(二進法時計)

ぱっと見ただけではいったい何であるか判らない時計である。

昔の漫画で見たコンピューターのようにランプがただ点いたり消えたりしているだけなのであるが、ちゃんと時刻は二進法で表示されている。(写真左の時刻は12時18分47秒)

いったい誰がこんなのを考えついたのか、面白さ最高だが使い勝手は正直ちょっと・・・(汗)