修理前、木枠ケースの天板と底はニスが剝げてボロボロ。

恐らく壁に掛けずに床置きで使用したものと思われる。

内部はホコリまみれだが錆は少なく、何故か煤が多い。

 

 

プラスチックのスピーカーグリルを外す、スピーカーの布はボロボロだったのでこれも撤去。

ベークライトのツマミは荒れてガサガサだったがコンパウンドで磨くと顔が映るほど綺麗に。

 

 

ケースから出してみる。

とても縦長で奥行きの無い平べったいシャーシ。

木製ケースとの隙間もあまり無く、よく燃えないもんだなと感心するくらい隙間が無い。

 

 

ケミコンの足が折れて外れているのを発見。

電源のケミコンはどのみち交換なので良いのであるが。

その他ペーパーコンデンサーもついでに交換。

値段の高いものではないので、合否調べるくらいなら交換してしまった方が手間が掛からないし、その方が精神衛生上とても良い。

そして恐ろしい物を発見、自作のヒューズである!(右写真)

管には0.7Aとあるのだが、どう見ても線が太過ぎる(笑)

そしてガラス管の内側にはヒューズの飛んだ跡もある。

よく見てみるとこれは一度切れたヒューズ管に普通の電線を通して両脇を半田で留めたというとても危険な自作の代替物。

こんな器用ものを作れる人なら、これは駄目であるという知識もある筈だと思うのが・・・・

なんでこんなことしちゃったんだろう?

 

 

完成したケース、ニス再塗装でとっても綺麗。

前面パネルも一度塗装を落としてから塗りなおしました。

電源スイッチの金属もバフ掛けでピカピカです。

引きヒモはネックレス用のチェーンを付けてみました。

 

 

とにかく狭い内部。

出力トランスと真空管の間は10mm無いので、鉄板で仕切られています。

それでもほぼくっついているように見えます。

IFTとバーアンテナの隙間も2mmあるかないか。

コンパクト設計とはいえギリギリ過ぎます(笑)

 

 

完成した内部。

ペーパーコンデンサーは全て信頼性の高い現行物と交換。

ケース内部はとにかくみっしり詰まっています、これで放熱が間にあうのか不安なくらい。

 

 

完成です。

壁に吊るす際はスイッチの入り切りで本体が動いてしまわぬ様、左右の角をネジでしっかりと壁に留める必要がある。

 

 


バーアンテナは指向性がある為、聞きたい局が入る向きでラジオを設置する必要があるのだが、壁掛けという手前、それが不可能である場合は外部アンテナを使うことで対応、側面に外部アンテナ用ジャックがある。

ちなみに、側面にある2つのスリットは放熱対策。

裏蓋に沢山のスリットは有るものの、壁に掛けてしまうと背面は蓋されてしまうので熱の逃げ場がないのである。

 

 

回路図