1文字が5cmX2.5cmと大きく、更にセグメント1本1本が太いのでとても視認性がよい。
機械式のルミタイムは表示が一瞬で切り替わる電子式と違い、デジタルの変化に時間が掛かる所と、回転しながら絵が変化する秒窓が、この時計の最大の面白味である。
背面には輝度調整スイッチがあり、”明”の場合はネオン管に交流を流し、”暗”の場合は直流を流すことによって明るさを半減させる面白いアイディア。
輝度調整の隣は50kzと60kzの切り替えがある。
内部に星型をしたギアが入っており、これを引き抜いて前後裏返しに差し替えることによりステップを切り替える。
ケースを外してみる。
本体は表示部分とメカ部分、基板部分の3層に分かれる。
蜂の巣のような表示器の中にネオン管があり、右側には秒針円盤、その下にはモーターがある。
モーター駆動のロータリースイッチによってネオン管を点等し時間を表示をする。
原理は単純だが構造が複雑なのでメンテナンスが大変な時計である。
アラーム部分のアップ。
難解なのでバラす前に写真を撮っておかないとアラーム設定が本体と合わなくなり、組み立てが至難になる。
プラスチック部分はとても細く華奢なので折らないよう注意しないとならない。
折ったら時計としてオワリ。
表示器をドライブしている円盤。
1桁に1円盤あり、1円盤には7接点付いている。
この円盤が汚れるとネオンが明滅したり点かなくなったりする。
ただしこの部分は分解できない場合が多いので、接点を曲げないよう注意しながら隙間から綿棒を使ってアルコールで拭く程度でとどめる。
万一接点が開いてしまったらアウトなので要注意。
モータはグリスが切れると結構唸る。
しかしこのタイプのモーターは分解可能なので一旦バラバラにしてグリスを入れなおすと唸りはある程度押さえることができる。
ネオン管の寿命は2万時間前後と言われるが、更なる長寿命化のため定格より低い電流で点灯しても、それでも10~20年くらいで寿命が来る。
そのためルミタイムはネオン寿命を迎えている物も結構あると思ってよい。
実際この個体もネオンが完全に死んでいるのが5本もあったため、後々の使用を考え、まだ生きている管も含めて全て交換した。
古い管はススでまっ黒、しかし新しい管に変えたら輝度は格段に向上した。
しかし、基板の銅パターンは熱で剥がれ易いので交換の際は要注意である。
ちなみに古いルミタイムは表示器に不具合の出やすい時計である。
もっとも多い原因は、
1、ネオン管の脚の半田外れ(なさそうで意外と多い!)
2、磨耗による回転接点の減り、もしくは接点曲がり
3、ネオン管の寿命