真空管ポータブルとしては珍しい短波アンテナ装備。

ただしアンテナは無いよりマシという程度の物なので、外部アンテナやアースを取れるのであればそれらを使用した方が受信状態は良い。

背面に外部用のアンテナとアースの端子がある。

スピーカーは1Wと結構大きな音を出すことができる。

 

 

短波用アンテナは普段は背部に折りたたんでおけるので邪魔にならない。

だがアンテナであることを知らないと立て掛け用スタンドと勘違いする人もいたり。

ちなみにこのアンテナは上部に立てて張らないとほぼ受信できない。

またアンテナは立てた状態でないと裏蓋を開閉することができない。

 

 

今回、電池管ラジオはどの球がどのくらい発熱するのか?という長年の疑問をサーモグラフィにて調べてみました。

使用機器はNECアビオのF30Sを使用。

計測する球は左から 1AB6(コンバータ) 1AJ4( 高周波増幅)  3Y4(電力増幅)  1AH5(検波増幅)

◎注(もう一本1AJ4がありますが一番左1AB6の後ろに隠れているので正面からは見えていません)

 

 

室温30℃、ラジオは10分間暖気したのち計測の結果、3Y4の根元部分に40.2℃を観測。

球の内部は真空である為、フィラメントの熱は上へは集まらず、ステムを通って下へ下へと流れるため、ベース近辺から熱が発散されているのが判る。

ちなみに他の球は室温とほぼ変わらない値であった。

スピーカーが付いているポータブルとそうでないのとではこういう所で電池の持ちが全然違うということを実感。

なお、クリスタルイヤホンを使用する際は3Y4を止めるので消費電力を大幅に節約することができる。

 

 

左)ボリウムのロットを確認、1957年の第6週目製造?という読みで良いのでしょうか?

右)ブルーのカバーの下には調整用コイルが集められており、バンド記載もあり非常に判り易い。

 

 

当ラジオは大型の67.5V乾電池を必要とするのだが、市販は絶版なので自作してみる。

006Pを7個直列にすると計算上63Vになるのだが、実測したら69Vもあった、まぁ別に良いのだが。

ホットボンドで各セルを繋げ、最後に竹ざおをシールする為に使われる径の大きな収縮チューブで密封。

ただし、ラジオ側についている006P風のスナップは大型サイズなのでパーツを探すのはちょい大変。

 

 


自作電池入れてみた様子、もう1個分くらい入る余裕はあるが、電圧が十分なので申し分ない。

 

 

裏蓋の外と内の様子。

左側にはアースとアンテナの端子、右下にはACとバッテリーの切り替えスイッチとACインレット。