ここへは無名、不明、海外OEM、合併、又は廃業等で
現在では見ることのなくなったメイドイン・ジャパンを展示します
昔はこんなすばらしいラジオがありました
共和製作所 NEW SP-6000 6石AMキット
40年くらい前か、小学生の頃に組み立てたことがある。
最近になり同じ物を不動品として購入したのだが、こういうキットは最初から鳴っていない(完成していない)物も多いので謎解きが楽しい。
修理の結果判った不具合は
●ほぼ全面的に芋半田。パターンについていないものも多数あったので、この時点で不動が決定的。
●バーアンテナのリッツ線が1本根本から切れて線も無し。仕方ないのでコイルのみ新品と交換。
●100kの抵抗が内部で断線、これは珍しい。
しかし、こんな鳴らないラジオが何十年も在り続けられたのは凄いです。
東海無線 SOLAR RADIO P-711 7石AM
当時としては珍しいソーラー式AMラジオ。
このラジオの特筆するべきは太陽電池のみで動作する点。
近年の非常用ラジオでもソーラー式はあるのだが、太陽電池はあくまでも充電の為であり、内蔵の電池を使わず
太陽電池のみで動作するラジオはほとんど無い。
側面に電池とソーラーの切り替えがあり、ソーラーの場合は直射日光下だと最大音量で鳴らしても音割れは発生せず十分な電力を発生している。
計測すると太陽電池の電圧は無負荷で5.5V、短絡で25mA、ラジオを中音量で鳴らしている状態で5Vである。
エンブレムにTOKYOとあるのでたぶん海外への輸出用、そして恐らくは乾電池の入手困難な地域へ向けた商品ではないかと推測。
電源は単三乾電池4本。
明光電機 CHERRY KM-88 8石AM
非常に有名なチェリーのキットラジオ、8石は絶版になって久しく最近はほとんど見ない。
しかし当ラジオはキットではなく、完成品として海外で販売されていたもの。
キット版はダイアルが緑色なのに対し、製品版は銀色である。
販売元はなんとアメリカのRadioShack!そしてメイドイン台湾???。
これは元々メイドインジャパンのキットラジオであるはずだが、知らない所で製品版がOEMされていたようだ。
キット版だと裏蓋にMADE IN JAPAN とだけあるのだが、なんとも不思議なラジオである。
電源は006P。
TOKYO PRINCE Co, golden Bell MODEL TR-306A 6石 1959年
東京プリンスというホテルの様な名前のメーカー。
トランジスタは東芝、コンデンサは東和、プラスチックケースに四角い赤の七宝焼きバッジが付く。
60年近く前の製品ながら今でもガンガン鳴る、驚く程ケミコンが長寿命というか、このくらいの年数だと乾いてカラカラか、液が出て大変なことになっている使えないのが普通。
ケース蓋裏の説明書が活字ではなく手書き印刷な所がいかにも小規模生産品。
ダイアルに▲のCDマークがあるので米国向け製品と思われる。
電池は006P
CROWN PIEZOELECTRIC 1965年 6石AM
ラジオ付きテーブルライター。
安全の為か、ライター部分とラジオ部分は完全に仕切られている。
分解は非常に面倒であり、ツマミ二つを外したのちに化粧版を外さないとならないのだが化粧版は蓋に接着されている。
よって、修理はほとんど考えられていない(というかライターなので開けることを推奨していない)設計と言える。
電池は単三4本。
KOYO KR-6TS2 1958年 6石AM
光洋電子設立初期の頃のラジオ。
扁平トランジスタ、エアバリコン、ペーパーコンデンサ等、1960年以前のラジオは中もレトロで見飽きません。
当個体はダイアルにCDマーク、電池はEVEREADYを表記している所から海外へ輸出したものと思われる。
時代の割りにとても良いデザインをしており、通産省からグットデザイン賞(昭和33年)を受けている。
手持ちの扁平トランジスタを使用したラジオの中で唯一どこも修理せずに今も大音量で鳴るラジオ、なんと優秀なことか。
電池は単三4本使用
KOBE KOGYO KT-1000 1961年 8石AM, LW 160-400Kc
回転式アンテナが特徴的な神戸工業(現富士通TEN)の長波付きAMラジオ。
薄水色の筐体でデザインも非常にお洒落である。
このような回転式アンテナはBCL機の様な趣味的ラジオではないラジオには珍しい装備。
ヨーロッパ等の高緯度で長波を主に受信する地域で使われたのであろうと思われる。
小型化のために相当無理して部品を詰めたと見えて電池の取り回しに苦労の跡がうかがえる。
恐らくは回転式アンテナを装備したラジオとしては最小。
電池は単三を4本使用。
CROWN TR-830 1959年? 4石AM
ベークライト基板を使わず金属シャーシを使った、真空管ラジオの様な構造のトランジスタラジオ。
スピーカーもバリコンも旧式な肉厚のある部品を使っているのでサイズのわりには結構重い。
トランジスタはRCA製、その他の部品は日本製。
電源は006Pの9V。
TOPTONE AR-810 年不明 8石 AM,SW 1.6-4.5Mc
OEMとしてTOPTONEから出されたものであるが、オリジナルのメーカーは一体何処でしょう、デザインが秀逸で良い。
マリンバンドは東京マーチスや灯台放送などの船舶通報を受信でき面白い。
中身はなんとなく松下っぽい造り、トランジスターは日立製。
化粧版の8の字がフジテレビのロゴに酷似。
電池は単三4本。
NANAOLA 8TP-406 年不明 8石AM
ナナオラのポケットラジオ。
バリコンがノーブランド、トランジスタとダイオードはNEC製、コンデンサはELNA製で
電池は単三2本。
ポケットラジオとしては内外とも割と豪華な造り。
YAOU PETITE-1 TYPE 6G620 年不明 6石AM
このラジオはソニーで言えばまさにポケッタブルなサイズなのであるが、それについてはちょっとした疑問がある。
まだDCジャックの無い時代、筐体の電池ボックス側には外部電源を繋ぐためと思われる3mm角の切り込みがある。
電池は006Pを1個。
フロントパネルはアルミ板をプラスチックケースに留めているだけだが、これだけ堂々と表地にネジ頭を出してしまっている仕上げは日本製にしては珍しい。
ケースにはYAOUと書いてあるがスピーカーにはゼネラルと印刷されている。
1936年に設立された八欧商店は1942年に株式会社となり1966年にゼネラルに社名変更、1984年に富士通と業務提携し、翌年現在の富士通ゼネラルになる。
UNIVERSAL GTR-701 年不明 7石AM
筐体の真ん中にある金色の帯の両側のネジを外すと時計部分とラジオ部分は2つに分けることができる。
時計にはアラームがついており、時間になるとラジオも鳴らすことができる。
時計そのものはゼンマイ式、ムーブメントは7石の(ラジオの7石とは別)スイス製で意外にこんな所に金がかかっていそうである。
エアバリコン使用、ラジオの電池は006P。
旅行用ラジオの1種と思われる。
KOYO KTR-624 年不明 6石AM
裏は紺のプラスチック、表は金色の化粧パネルに縦型スケール。
電池は単三を4本。
POLLY 6YR-19 年不明 6石AM
非常に小さいラジオである。
本当にこれ以上なにも入らないというくらいぎっしり詰まっている。
このサイズでスピーカーが付いているトランジスタラジオは少ない。
選局ダイアルの直径は10mmくらいしかないので回すのが大変、しかしこんなに小さいくてもダイアルはプーリーで減速されていてさすが日本製は芸が細かい。
このラジオは色々な名前で出回っていてポーリーの他にフュージョン、マーベル、ティファニーという名前も確認されている。
使われている半導体は全て東芝製、電池は単4電池2本。
スピーカ付きトランジスタラジオとしては最小サイズ。
REALTONE TR-970 1962年 9石AM、LW、SW 4-12Mc
くの字に折れ曲がった縦型の筐体、コートサイズにしては珍しい長中短の3バンド、脱着式ロッドアンテナ、内部バーアンテナは2本装備。
筐体が途中から曲がっている為に基板は二分割されている。
くの字デザインはとても面白いのだが、筐体のプラスチックが薄く、形状に無理があるので割れたり欠けたりしている個体が非常に多い。
右サイドに選局とバンド切り替え、左サイドには音量とトーンダイアルがあるが、何故かトーンと電源スイッチが一緒。
電池は単三を4本。
REALTONE Model 1634 年不明 沖縄製 16石AM
非常に興味深いラジオというか、なんと言っても16石!。
いくら何でもただのAMラジオに16石は多すぎでは?。
多石なほど”高級”というイメージのあった時代の典型的なラジオなのであろうか?。
しかしこんなにトランジスタが沢山乗っているわりにダイオードはAC電源の整流にただ1本。
ラジオの基本回路にはダイオードが乗ってない。
回路図をよく見ると足が1本オープンになっている石が4個もある。
これがダイオードの代わりならすごい無駄使いである。
電源スイッチは何故かトランスの2次側にあるし、構造的にはこのまま乾電池を入れてACを接続すると電池は破損しする、なんとも凄い構造。
筐体は前面プラで側面は合皮、裏はボール紙。
ポリバリコンはCANETSU ELECTRONICS、 IFTはAIKO ELECTRONICS、 ケミコンはサンヨー、トランジスタは日立。
電池は単三4本。
側面にOKINAWAとあるので年式的には本土復帰前の製品(俗に言うOccupied Japan)と推測。
回路図
REALTONE Model 2256 年不明 日本製 10石AM,FM
上のラジオと全く同じ筐体の兄弟ラジオであるが、相変わらず面白い構造をしている。
AMラジオが16石でFMが付くと何故か10石なのである。
機能が増えてトランジスタが減るというのは??。
これも相変わらずACトランス2次側に電源スイッチがあり電池スナップと電源はくっついているので電池を入れたままACには挿せない。
ちなみにこれは底辺にJAPANと入っているので沖縄で作られた本土復帰後の製品と思われる。
NOVATEC PILOTⅡ 年不明 10石AM,FM,LW,VHF
エアバンドがメインな10石4バンドラジオ, PILOTⅡ
受信周波数は190-400Khz, 540-1600khz, 1.6-4.5Mhz, 110Mhz-135Mhz バーアンテナは回転させビーコンの方位を測れるようになっており、アンテナ上部には目視のタブとLW用アンテナを2本挿す為のコネクターとモールスコード表がある。
側面にはAIR用のアンテナコネクターがある。
全体的にどのバンドも非常に感度と音質が良く、モノは古いが実用性は高い。
筐体を支える二つのアームは取っ手ではなく壁や床に固定する為の専用ステー。
電源は単三4本。
このシリーズにはマリンバンドやポリスバンドがメインな兄弟機が数種存在する。
TMK Hi-fi Twin Speaker 年不明 10石AM
珍しい2スピーカーAMラジオ。
一見ステレオ風だがもちろんモノラルである。
左右のスピーカーグリルは同じ大きさであるが実装されているスピーカーは左右大きさが全く違う。
しかし元々がAM音質なのでスピーカの大小にあまり意味を持たない。
ただ見た目には2スピーカーだと面白いものがある。
ラジオとしては非常に良い出来。
ちなみにTMKとはToyoMenKoの頭文字であるらしい。
電源は単三4本。
GLOBAL GRC-715 年不明 8石AM
時計つきAMラジオ、電源スイッチは時計部分にある細いツマミによってON-OFFする方式。
時計にはアラームが付いており、設定時刻によりラジオをONにすることもできる。
時計の短針は針ではなく、円盤に書かれた絵の短針。
ラジオ部分は単三乾電池2本、時計部分は単三電池1本で動作。
時計のムーブメントはスイス製。
トランジスタはTEN製、コンデンサーはEbarSon製。
GLOBAL GR-931 年不明 10石AM,FM
スピーカーある側
スピーカー無い側
内部
デザインがオモシロイ!
こういう物を造る会社がかつては日本にあったとは驚き。
カマボコドームを思わせる空間の多い半円のチューニングパネル、煙突の様にそびえ立つアンテナ、そのアンテナ外部を包むチューニングダイアル、何もかも意味なく凄い。
またこのラジオは腹と背が全く同じデザインなので、どっちにスピーカーがあるのか判りづらいのがまたイイ!。
グローバル社の製品は概してデザインが凝っており、その為か欧米では今も人気が高い。
電源は単三4本
GROBAL GR-900 1961年 9石AM
この形は素晴らしいの一言、丸みを帯びていてそれで他に似ないデザイン、なんともいえません。
バーアンテナは貧弱で頼りないがRF増幅なため感度はよい、ラジオとしての完成度は高い思う。
しかしこの機種だけ電池蓋が非常にユルいという欠陥があるため、イーベイなどで観察しても蓋を紛失している個体がとても多い。
筐体の色は白、赤、黒、モスグリーンの4種類がある。
電池は006P。