まず正面から。
縦一列にデカトロンが並んでおり、左にはリセットボタン、右には時間の位を変えるセレクター、下には電源スイッチ。
最小計測時間は1/10 秒、1/100 秒、1/1000秒と3段階に可変できる。
ただし、表示は10進法であり60進法ではない、つまり3分間は180秒という表示になる。
最大表示は999.9秒。
電源を入れるとデカトロンは4つとも点灯するが回転はせずに停止している。
そのとき光点は適当な所で点灯するのでリセットしてゼロにあわせる。
10秒ほどして真空管が温まってくるとカウントがスタート、時計回りに光点が回り始める。
時計のスタート/ストップは背面の外部端子からコントロールする。
(↑動画は待ち時間を省略するため予備暖気してあり立ち上がりが早い)
蓋を外してみると壮観である、この密度で真空管がズラッ並ぶ様はラジオでは考えられない。
右サイドにはハードディクスの様なものがブンブン回っているが実はこれがタイマーのクロックを作る部分の光電セルとスリットディスク。
こういう原始的な機械どこかで見たことあるなと思ったら、映画”オネアミスの翼”にこんな感じの計算機があったような気が・・・・。(笑)
セレクターを回すと電球の位置がスライドする
ディスクの穴は外側が100個、中側が10個、内側が1個
クロックの構造は下から豆電球で明かりを灯し、穴あきディスクを通った光はセルに当たりパルスをカウントするという原始的なもの。
時間の単位を変えるダイアルを回すとアームの付いた豆電球が移動し、ディスクに当たる光の位置を変えることによってパルス幅を変える。
ディスクの内側にいくほど穴の数が減りパルス幅は長くなる。
こんな物で1/1000秒という時間を本当に正確に測れるのであろうか甚だ疑問。
(↑動画)
デカトロンは点火後すぐ作動するが真空管の方は温まるまで動作しないので電源を入れても直ぐにはカウントが始まらない。
光電セルからのパルス制御には12AX7と6C4が使われており、デカトロンを含まないで真空管は合計10球もある。
写真左の奥に見える金色の円形のものはディスクを回すためのモーター。
電源部分。 整流にはセレンが使われている(緑の四角)。
トランスの引き出し線が布被覆なのでこいつも結構古いのかもしれない。
このデカトロンは常に400V以上で動作しているので構造は簡単でも真空管ラジオ以上に高電圧でキケン。
整然とした空中配線。
茶色い筒のようなものはベークライトの筒状ラグ板、配線が複雑なので組み立てが大変だったのではないかコレは?。
筐体やシャーシも非常に手作り感の濃い出来である。
実用真空管の中ではデカトロンが一番美しいねぇ (^^)