レストア前の状態。
プラスチックケース表面の艶は消え、部分的に白く霞のかかったような表面劣化を起こしている。
スピーカーグリルは錆が浮いており、シャーシを留めるネジのゴムスペーサーは膨れ上がってグズグズ。
シャーシを出してみる。
結構ホコリっぽいが錆は少なめで一安心。
あまり使われていなかったのだろうか、プーリー糸がとても綺麗であった。
シャーシ裏のパーツを観察する。
想像以上に綺麗である、ここまで綺麗なのは珍しいくらい。
ただし、いくら綺麗でも古いペーパーコンデンサーはあまり信用できないので結合部分だけは交換した。
このラジオは結構大きく、そして重い。
計ってみるとスピーカー1kg ケース約1.3kg シャーシ本体が約1.4kg ボリウム、ネジその他を合わせると約4kgにもなる。
それにしてもスピーカーだけで1kgって・・・・。
電源を入れてみるも全く鳴らず。
調べてみるとなんとボイスコイルの断線!残~念!!無念。
ボイスコイルの回りはコーン紙の上から見ても判るくらい緑青を吹いている。
こればっかりは修理できないので同サイズのスピーカー交換と相成る。
しかし気になるのはヤケに錆びたグリルとスピーカーの円周上に濡れているように付いた何か。
もしかすると酸か何かの様な液体でもかかって腐食が原因でボイスコイルが切れたような気がする。
スピーカー本体はとても綺麗なだけに惜しい。
筐体を研磨する為に外れるパーツは全部外してからまず水洗い。
耐水ペーパー600番で荒く削ってから800番、1000番、1500番、2000番と細かくしてゆき、最終的にサンエーパールでポリッシュして艶を出す。
招き猫の左から未処理、2000番終了後、右側はポリッシュ後の完成形、
緑のケースをポリッシュするのに丸1日、エスカッションのポリッシュとスピーカーグリルの錆落とし+塗装に更に丸1日。
ちなみに、緑のACコードとプラグは売っていそうで探すと意外に無いので貴重品である。
プラグとコードが一体になったものであれば、クリスマスツリーランプなどのコードが緑なので利用できたりする。
内部2箇所に照明が入るので夜間は結構輝いて賑やかである。
緑のランプはバンドを短波にしたときに光る。
中波NHK第二からAFN、TBSへ選局中のマジックアイの動きの様子
強電界地域ですとマジックアイは綺麗に閉じます。
回路図