正面から見て左ツマミは音量と電源スイッチ、右ツマミは選局、その上にある細長いのがバンド切り替え。

ヨーロッパ製にしては珍しいAM-FMバンドの真空管ラジオ。

裏側の左角の2つの穴はFMアンテナ用ジャック、ACコードの隣にある丸いツマミは音質のHi-Low調整ボリウム。

普段使わない音質調整が裏にある所がとても合理的。

裏蓋の円周上には布繊維が巻かれていてぴっちり蓋ができるようになっている。

裏蓋左下にはシャーシのシリアルナンバーを読む為だけの穴がある。

芸が細かいというか・・・

 

 

これまた面白い構造というか、枠箱を前パネルと裏蓋で挟んだ格好になっていて、裏蓋のネジ3つを外すだけでシャーシを出せるので非常に楽。

しかし中はというとギッシリ詰まっていて箱がプラスチックなのに排熱は大丈夫なのか心配である。

 

 


バーアンテナはなぜか中心に向かって切り込みが縦に6本入っていて割れそうで怖い、この切り込みの意味はいったい?。

しかもラジオ全体の大きさの割にはフェライトバーの大きさがタバコ1本くらいの大きさしかなく、不釣合いに小さい。

シャーシはL字型になっていて真空管が縦にも横にもなって挿さっており、縦側のシャーシ裏はFM用のコイルが集中している。

ちなみにIFTは455Kzではなく460kzである。

使用されている球はEC92, ECH81, EL89, EL95, EABC80、いずれもシーメンスのドイツ球。

 

 

シャーシの真ん中、縦筋に沿って穴のあいた細長いベークライト板が通っていて、そこを中心に抵抗やコンデンサーといった部品が外に向かって配置されているので非常にすっきりした感じになっている。

写真右は裏側に配置されている音質のHi-Lowボリウム、かなり安価なボリウムが使われているが、あまり回す所ではないのでこれでいいのだろう。

電源はヒューズを差し替えることによって220Vと117Vに切り替えることができる。

 

 


バンド切り替え

 

選局ダイアル

 

ヨーロッパの放送局?

 

このラジオの特徴はダイアルである。

バンド切り替えのノブを回すと表示板そのものが回転して下から別の表示板が出てくる仕掛け、ドイツらしい細工である。

これに似た細工でアメリカにはロボットダイアルというのがあるが、それは更に凝った造りである。