ちょっだけ開けてみました

 

とても性能の良いラジオであるが、悲しいことにある程度の年数が経つと不具合の多いことで有名である。

一番多いのはコンデンサによる不具合、その種類も色々あるが、時代的には四級塩電解液使用のコンデンサによるものだろうか。

しかし、コンデンサによる不具合は何もソニーに限ってあった話ではなく、この時代の小型家電はほぼどこにでもあった。

 

 

そういう話もあって、まだどこも不具合がないうちに全部のコンデンサーを交換してしまおうという計画。

・・・・と言うか本当はただ理由を付けて開けたてみたいだけだったり(^^)

上部蓋は裏のネジ4本で取れる。

注意するべきは、取るのは上蓋であって裏蓋ではない。

裏からは取れません。

上蓋を取るとゴムパットシート、その下は接点基板。 基板は3層になっており、導電ゴムで下の基板と繋がっているため、外した際には2cm程の素麺の切れ端のような導電ゴムを失くさないように注意。

私はなくした(笑)のでaitendoへ直行しました。

 

 

電源及びラジオ本体部分基板。

左がおもてで右がうらです。

FCCコネクターは外すの楽ですが、入れるの面倒な位置にあります。

 

 

表示器とそのコントローラー基板 左がおもてで、右がうらです。

この基板はスーパーキャパシター以外には今回は交換する部品はありません。

 

 

ボタン基板。

上からゴムシート、接点基板、シールド板の3枚で1セットになっている。

 

 

ケースの裏と表。

基板も含めて電線類が半田付けされていないので、分解時に半田鏝を必要としない。

 

 

交換前の基板の様子。

今回交換するコンデンサは以下の通り

6.3V 22μ  4mm   8個
6V 47μ   5mm   5個
6V 100μ  6mm   5個
4V 220μ  6mm   1個
10V 470μ 10mm   3個
35V 4.7μ   4mm    3個
スーパーキャパシター 5.5V 0.22F 1個

合計で26個。

ちなみに、写真右の赤丸のシールドの中にもコンデンサーが入っている。

置き換えるコンデンサについて、耐圧(V)は元より大きい分には問題ないです。

新しく表面実装コンデンサを買うに当たっての注意はサイズ(径)に注意。

表面実装は元が細径のとこに太径コンデンサは半田付けができません。

1mm大きくても駄目ですので必ず同寸の製品で。

上記の直径(mm)はオリジナルのコンデンサから計りました。

 

 

外す時は半田から取ろうとせず、ラジオペンチ等で左右に振って脚を折り取る方法が最も安全。

半田で外そうとすると高確率でパターン剥がれます。(これ最悪)

 

 

20~30回振ると大体折れるので、本体を取り去った後に基台を取り、半田鏝で残った脚を取る。

コンデンサー抜き取り時に穴から液が漏れる可能性もあるので、外した部分はアルコールかシンナーで綺麗に基盤を拭いておく。

 

 

外す前の基板と外した後の基板。

コンデンサーはまとめて外してしまうと規格や極性が判らなくなるので、外す前に字の読める鮮明な写真を撮っておくことをお勧めする。

極性は基板のマーキングを見ると一応判るのだが、載せてしまうと判らなくなるので、やはり撮っておいた方が吉。

 

 

新しい表面実装コンデンサーとスーパーキャパシター。

表面実装コンデンサーは秋葉原ですらある程度の品数揃えている店は少ない。

千石電子 若松通商 あとはヤフオク、楽天などでしょうか。。。

秋月にもありますが、容量の大きいものばかりです。

とにかく購入にはコンデンサの直径に要注意です。

スーパーキャパシターは同寸ですが25年経ったら容量が0.22μから 0.33μに増えてました。 鈴商で購入

 

 

新しく取り付けたコンデンサー。

コンデンサーは取り外す時は楽なのだが、取り付ける時はパーツが寄っていて幅が狭いので、載せる順序を考えないと、最終的に半田鏝が入らないようなことになってしまうので要注意。

 

 

取り付けの際、極端に幅が狭く通常の半田鏝では入らないので、半田鏝先を自作しました。

元の鏝先を外し2mmの銅線に真鍮パイプを巻いて取り付けました。(2mmそのままだと細過ぎて鏝に留められない)

2mmの銅線は5cmくらいに切ってドリルに取り付け回して先を尖らせ、換気の良いとこでコンロで焼いてエナメルを落とします(すごい煙が出ます)。

鏝先がメッキなし銅だと鉛に食われて減りが早いのですが、1度しか使わない物ですのでこれでも問題ないです。

取り外したコンデンサは見てみると腫れたものがいくつかあったので、今は無事に鳴ってはいても時間の問題だったと思いました。

 

 

修理中に注意することとして、盲点なのがこのFCCケーブル。

途中から切れたり、元から剥がれたりするとオワリなので相当の養生をしておかないと弄り壊しになりかねず、後の修復が倍以上の作業になります。

また、コンデンサが付いている面の裏にケーブルはあるため、ケーブルと基板面の間も養生しておかないと、上から押さえつけた際にケーブル表面に基板裏のパーツの脚が当たって穴が開きやすいことにも注意。

 

 

交換が終っても気を抜かない、このFCCケーブルが最も厄介な部分なのでしっかりテープでガードしてから蓋をする。

普通の絶縁テープでも構わないのだが、あとで熱などでペロリんと剥がれると嫌なのでアセテートテープで留めた。

 

 

修理前と後でも何も変らないのだが、気分は大きく変りました。
趣味なのでそんなもんです。