ディスプレイはモノクロ9インチ、コントローラーはジョイスティクと4ボタン、コントローラーは脱着可能でマシンの移動の際は本体の中に納まるようになっている。

2プレイできるようにコネクターは2つあるが付属のコントローラーは1つのみ。

電源スイッチとボリウム、リセットスイッチが前部の下あたりにある。

ちなみにベクトレックスは電源入ると音声に結構なノイズが乗る。

最初は電源の平滑でも飛んでいるのかと思ったが調べてみるとどうやらこれはベクトレックス全部に言える欠陥らしい。

外国のWebを見るとこのノイズを消す為に色々な部品を付けたり取ったりと涙ぐましいことをやっている人が結構いる。

ちなみにこの派手なノイズの原因はモニタ側への映像信号が音声へ漏れているのが原因らしいので完全な対策は容易ではない。

 

 

裏蓋を外してみる。ほとんどテレビを分解している気分。

下にはCPU基板とトランスとヒューズボックスがあり、横には音声を含むモニター基板と電源が一体になって吊るされている。

ちなみにこの吊るされている基板には大型のヒートシンクがついており、基板のほぼ半分が電源というオバケである。

銀色の箱でシールドされている中身はフライバックトランス。

一見複雑そうだが実は至ってシンプルな造りになっている。

長時間点けていると裏が結構熱くなるのであるが、それ以前に筐体が熱くなるほど長時間遊べるゲームがないのが寂しい。(なお筐体の裏蓋を開けるのは感電の危険が伴うので修理屋さん以外の方が開けるのはお勧めしません)

 

 

ここがメインCPU基板である。

モトローラー製6809は8ビット1.6Mhz、RAMは2kしかない。

手前が電源ケーブル、右側がCRTへ行くケーブル、CPU基板に挿っているコネクターはこの2つだけなので非常に判り易い。

 

 

撮影の為に横倒しにした電源部分のアップ。

巨大なヒートシンクが目に付く。

スイッチング電源だったらもっと小型化できたのであろうが普通にレギュレーターを使って定電圧化しているので電源が大型化している。

電源の平滑用コンデンサーは4つあわせて約30000μF、径がやたら大きい。

 

 

ブラウン管はなんとサムソンである!

サムソンって最近の企業かと思ったら80年代には既にあったようだ。

このほかの部品をよく確認してみると半導体はアメリカ製、コンデンサや抵抗は日本製、ブラウン管は韓国製、そして組み立ては香港というなんともワールドワイドなマシンである。

ちなみに手元にはお遊び用と部品取り用の2台のベクトレックスがあるのだが、一台は初期モデルで台湾製、後期モデルは香港製である。

そして初期モデルの方のブラウン管はサムソンではなく台湾製である。

 

 

本体の底辺、とてもシンプル。

赤白のコードはフェライトコアを通って電源へ行っている。

 

 

ベクトレックスはゲームマシンの中で最も故障率の高い機械であることでも有名である。

もちろん普通のマシンより大掛かりなので故障もおきやすいのであろうが、最も深刻なのはコレ。

古くなるとプリント基板のパターンが浮いてくるのである。

面の広い所はまだマシなのであるがパターン幅の狭いCPU基板も同じように侵食されているので、そうなるとイカレるのは早い。

ちなみにこのマシンの基板表面の90%はもうこの通りヨレヨレである。

なぜこの基板がそうなるのかは不明。

日本では考えられない不良である。

 

 

ゲームスロット中身、シャープのROMである。

時代を考えれば仕方ないが容量はたったの8k 。

よく8kであれだけのゲームが走るものだと感心するが実はリリースされたゲームのほとんどは実質4kほどしか使っていない。

あと、、外から見えないからいいんだけど基板のバリがすごいなぁ。

 

 

別売りされていたゲームカートリッジは種類こそ多かったが、MSXやファミコンと違って絶対数が少ないので中古としての入手は極めて困難である。

その中にも更にレアなカートリッジ(製造が100本くらいしか出ていないものとか)はネットオークションで1本数百ドルという値段で取引されていて本体より全然高かったりする。

そこまでいかなくとも普通のカートリッジでもオーバーレイとカートリッジが揃ったものは少なく、この方式のマシンの泣き所である。

意外に高いのはマシン本体に内臓されているゲーム用のオーバーレイで、これは紛失しても本体購入以外に入手方法がないからである。

 

 

ゲーム”スクランブル”の画面。

左はオーバーレイをディスプレイに乗せ、右はモノクロ画面の状態。

個人的主観で言うとオーバーレイを乗せても臨場感がそれほど増す訳でもないのでこれはあってもなくても変わりないと思うが、やはりあるのでれば付けておきたい。

でもあんまり付けたり外したりすると貴重なオーバーレイが割れそうになるなるので、それで付けないという人も。

ちなみにゲームカセットとオーバーレイで1組のものなのだが、中古カセットになるとオーバーレイを紛失或いは破損しているものが多い。

 

 

ベクタースキャンを簡単に説明すればこれはオシロスコープと同じ絵画方式である。

ただオシロと違うのは線がやたら多いことである。

CRT輝度を最大まで上げるとこの様にCRT中心からビームが外へ向かって絵を描きに行っているのが見える。

この方式の欠点は例えばインベーダーゲームのように一度に多くのキャラクターを表示しようとすると絵画に行く線が多くなりすぎて表示が間に合わなくなり画面がちらつき始める。

なので元々そういう種のゲームはリリースされていない。

 

 

写真上左は本体の裏に付いているディスプレイの輝度調整。

輝度を最大まで上げるとビームがキャラクターを書きに行っている線まで見えてしまうので画面外からやってくるキャラクターが事前にバレしてしまったりする。(笑)

写真右は本体右横にあるゲームスロット。

電源が入ったままの抜き差しはもちろん厳禁である。

本体裏に貼ってあるステッカー。

GCE社(ゼネラル・コンシュマー・エレクトロニック)は81年に会社設立されて82年に販売開始、83年に買収され84年には生産停止している。

そしてその間に作られたのはこのベクトレックス1機種のみ。

 

 

おまけ

サンタモニカにある今は無きGCE社のあった場所へ行ってみた。

そこは10階建てのビルが建っており西には海の見える一等地。

 

 

関係ないですが道路向かいはバナナリパブリック。