ここでは変ったスタイルのカメラを展示

 

MINOX (タイプB) 1958~1972年 西ドイツ製

全長98mm 最短撮影距離20cm シャッターB~1/1000

1937年のタイプRigaから現行のTLXまで約80年間ほぼ同じ形状であり、初期設計の完成度が高い証拠である。

このサイズで距離、シャッタースピードを調節でき、露光計、レンズフィルター3枚、フィルムカウンターを装備している。

カメラに付いているチェーンには4箇所(20、24、30、40cm)に球がついているが、これは近距離において正確に距離を測る為の定規の役割をする。

 

 

このカメラの凄い所は近接撮影距離が20cmと極端に短いこと。

普通のフィルムのポケットカメラでの近接撮影距離は普通で80cm~120cm、特に短いものを選んでもせいぜい60cmくらいなので、20cmというのは驚異的である。

実際にも葉書1枚分を至近距離からまるまる撮影できるので、普通のカメラでは到底真似できない性能であった。

この特殊すぎるカメラの用途はというと、昔は実際にスパイの盗撮道具であったろうと言われている。

 

 

腕カメラ

このカメラの特徴はその大きさより、撮影が白黒オンリーな所である。

カシオ初のデジカメですらカラーであるのに対し、これは後発でありながらモノクロという世界でも珍しいモノクロ専用デジカメである。

しかし、翌年には同サイズにてカラー機が発売されている。

ディスプレイは低解像度でなおかつバックライトが無いため明るい所でないと非常に見づらい。

撮影された写真は専用の赤外線インターフェイスにてPCへ転送。

小画素なのでチョイ見程度の撮影にしか使えないが、まぁそれなりに面白いのである。

カメラ F2.8 モノクロ28000画素 STNモニター120X120ドット16階調 メモリー1MB 当時価格22000~25000円

カシオWQV-1デジタルカメラ 2000年3月販売

 

 

トイカメラ

歴史的には戦後くらいからカメラの代用品として色々なものが登場していたらしい、これもその一つ。

代用品とされるくらいだから高級感なんて皆無であり、撮れればOK?的なカメラである。

構造も極めて簡素化されており、レンズ、シャッター、巻き上げ、この3大パーツしかなく、簡単に工作することができるので小規模な工場で結構作られてたと思われる。

幅17.5mmのモノクロフィルムを使うのだがパトローネが無くフィルムむき出しな為、装填するには暗室が必要でちょっとめんどくさい。

撮る時は晴天下で本体を固定するなど、ある程度のコツを熟知して写さないと失敗する可能性大だったりするので、安くても素人向きのカメラとはいえない。

しかし現在はその独特なスタイルと懐かしさを感じて集める趣味人が多い。

デジカメオンリーとなった現在、フィルムカメラの価値は無くなり、あと10年もしたらほとんどのフィルムカメラは消えてしまうと思うが、豆カメラは実用品でなかったが故にこれからも残り続けると思われる。

 

 

マミヤ コニパンS  16mm白黒フィルム

箱はmT管の紙箱とほぼ同じサイズ。

箱デザインの黄色と緑のコントラストが良い。

 

 

賞味期限が1958年4月となっている。

ということは製造年は55年くらいだろうか?。

「引伸には深山、吉野コニブロマイド」・・・意味解りません。(^^)

「密着」とは現在でいうコンタクトプリント(べた焼き)のことらしい。

 

 

20EX 10x14mm 3ROLLSとあるので、この細長いアルミ缶の中に3本の白黒フィルムが納められているのだと思われる。

未開封なので紙テープでシールされている。

万一、フィルムが生で入っていたらオシャカになるので開封していない。

とはいってももう50年以上経っているので既にオシャカなのだろうけど。

 

 

KODAK JUNIOR SIX-20  1935年

620フィルムを使用するコダックのブローニカメラ。

ジャバラカメラは今のカメラにはない個性がありとても美しい。

15年くらい前にアンティーク屋で10ドルで購入、アメリカでコダック製はタマが多いせいか意外に安い。

 

 

70年以上前のモノだが全てが機能しており、フィルムさえあれば今でも写る。

折りたたむと筆箱くらいの大きさになり、この時代すでにカメラは携行することが可能な物であった。

 

 

MAMIYA 16 AUTOMATIC 1959年

小さいボディによくこれだけの機能を詰め込んだと当時の日本のカメラ技術に脱帽させられる逸品。

大きさは10cm x 5cm x 3cmと今のデジカメと比べたら驚くほどではないが、マニュアルのフィルムカメラとしては抜群に小さい。

そして機能も充実しているせいか見た目に似合わずズッシリと重い。

持った瞬間の存在感に惹かれて思わず衝動買い。

 

 

更にイイのは金属っぽくてとてもメカメカしい所、スパイ道具って感じがします。

左側には露出メーターが付いており、これは電池を必要としないタイプなのはいいが、受光部品(セレン)の寿命は長くないので部品が死んでしまうと厄介。

そしてこの測光タイプのカメラの殆どは既に寿命を迎えていると思われるが、それは故障ではなく自然なことなので仕方がない。

 

 

左写真、カメラ前部にレンズ部分と露出の受光窓がある。

ファインダーは折りたたみが可能で、使用する際は立てて使う。

右写真の右端に見えるギザギザの歯車みたいなのがフィルムのワインダー。

 

 

レバーをスライドすることによりレンズにイエローのフィルターをかけることができ、また蓋をすることも可能。

蓋をするとシャッターボタンにロックが掛かり、シャッターは落ちなくなる仕組み。

 

 

フィルムサイズはマミヤ16という専用カートリッジ。

しかし既に生産終了していて今となっては入手困難。

でもいつかはコレで撮ってみたい。

 

 

MINOLTA-16 MG-S  1970年

再び16mmコンパクトカメラ、ミノルタ MG-S 今時ないフィルムカメラの中でも最も無いタイプのフィルムを使う。

アルミボディにオールマニュアル、造りはしっかりしており、当時は決して安物カメラではなかったと思われるが、1970年に入ってもなお16mmカメラが作られていたことに驚き。

しかもフィルムは1990年まで作られていたと言うのでさらにびっくり。

 

 

MINOLTA WEATHERMATIC 110 1980年

子供の頃に知り合いが持っていてとても欲しかった1台。

カメラであることよりその奇抜なスタイルがとても気に入っていました。

防水機能のため巻き上げが重く、そのためレバーは大きく作られている。

ダイアルなども水中で使い勝手の良いように大きめにできている。

 

 

蓋は透明プラスチックのカバーになっていて半スケルトン。

内部は2重で外の防水蓋の下に更に蓋がある。

 

 

ダイアルは距離と絞りの2つ。

フィルムがワンテン(110判)でしかも水中仕様なので表示は大雑把。

使い捨てカメラを除けば水中を撮れるカメラとしては最も安いカメラだったと思われる。

 

 

裏蓋のラッチはプラスチック製だが頑丈。

結構な圧力で押し付けられて留まっている。

 

 

MINOLTA WEATHERMATIC DUAL 35 1987年

ミノルタウェザーマチック、35mmフィルム使用の水中カメラ。

右手のグリップ感が良く、またレンズ回りのプロテクションもしっかりしている。

強化プラスチックボディなので水にも強いが衝撃にも強い。

 

 

上部には左から電源レバー、フィルム残量計、望遠切り替えスイッチ、シャッター。

下部には電池ボックスがある。

電池蓋はコイン等で回して開ける、蓋内部には防水パッキンが入っている。

もちろん、フィルムの開閉蓋の方にも防水の為のシールがされている。

そのため蓋の開け閉めは結構重い。

 

 

CANON DIAL35 1963年

珍カメラの中の珍はこれでしょう。

バルカン砲みたいなレンズ周り、妙に出っ張ったノブ、縦型のボディ、それまでの常識を覆す異形のデザイン。

ハーフサイズのカメラでありながら縦置きボディなので、撮影されたフィルムは通常と同じ横長に写るという特徴を持つ。

 

 

このカメラの特筆される機能として今では当たり前になったフィルムの空送り、巻き上げ、巻戻しという動作を全てゼンマイ動力で行っているという所。

自動空送り機能が付いたのもこれが初である。

ただし、1回のゼンマイ巻きでフィルム1本分全てを撮りきれるわけではなく、フィルムの長さによっては数回巻き上げないとならない。

 

 

巻き上げノブの底に三脚用の穴があり、通常はここにストラップがねじ込まれている。

 

 

測光は電池式、使用されるバッテリーは特殊サイズで既に生産終了品だが、ボタン電池で使うことができるアダプターが出ており、こういう変なカメラを持つユーザーとしては嬉しい限り。

ちなみにこのアダプターはサイズだけでなく電圧まで補正してくれるので非常に便利。